【夏台風と秋台風の違い】台風が秋に多いのはなぜ?動き方と特徴
- お天気出張所
- 2018.9.21最終更新日:2018.10.9
- かいたひと:たい
秋は台風の季節と言われていますが、秋台風の特徴にはどのようなことがあるのでしょうか?
夏台風と秋台風の違いや、台風の発生する時期、経路について、
そして台風・ハリケーン・サイクロンなどとの違い、今秋の台風の傾向を解説したいと思います。
もくじ
1.台風って何? 発生する時期は…
2.台風には日本の名前も!番号と名前の付け方
3.台風、ハリケーン、タイフーン、サイクロンの違い
4.秋台風の特徴とは?
5.夏台風と秋台風の違いと
6.2018年の秋の台風は?
台風って何? 発生する時期は…
台風とは、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s(34ノット)以上のものを「台風」と呼びます。
台風の発生・発達には、大気の状態が影響していますが、もっとも大きく影響しているのが海水温です。通常、海面水温が26~27℃以上の海域で発生し、発達期に28℃以上の海域を通過する事でより強い台風へ発達するとされています。
つまり、台風は一年を通して発生していますが、
海水温の高い夏~秋にかけて発生数が多くなります。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
発生数 | 0.3 | 0.1 | 0.3 | 0.6 | 1.1 | 1.7 | 3.6 | 5.9 | 4.8 | 3.6 | 2.3 | 1.2 | 25.6 |
接近数 | 0.2 | 0.6 | 0.8 | 2.1 | 3.4 | 2.9 | 1.5 | 0.6 | 0.1 | 11.4 | |||
上陸数 | 0.0 | 0.2 | 0.5 | 0.9 | 0.8 | 0.2 | 0.0 | 2.7 |
台風の進路
赤線:月別のおもな台風の経路
橙線:赤線についでとりやすい経路
台風は海水温の高い夏~秋にかけて多く発生し、台風自身ではわずかに北西に進むのみで、
一般的には台風よりももっとスケールの大きな高気圧や偏西風などの影響を受けて進み、台風の進路が決まります。
台風には日本の名前も!番号と名前の付け方
みなさんはテレビやラジオなどで『台風の名前』を聞いたことはありますか?
ご存じの方もいるかもしれませんが、台風にはそれぞれの名前、それから『番号』があります。
番号
毎年1月1日以降に発生した台風を1号として、台風の発生順に番号を付けていきます。
翌年1月1日になると、また1号からです。
台風の名前
台風の名前は以前は英語名のみでしたが、2000年より北太平洋または南シナ海で発生する台風には、地域で使用されている名前が使われるようになりました。
現在では日本、カンボジア、中国、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、香港、ラオス、マカオ、マレーシア、ミクロネシア、フィリピン、韓国、タイ、米国、ベトナムの台風の名前が使われており、全部で140個あります。
台風の名前は年に関係なく、順番に使われていきます。
日本の台風名は10個
日本から出された名前は、
テンビン・ヤギ・ウサギ・カジキ・カンムリ・クジラ・コグマ・コンパス・トカゲ・ハト の以上10個で、
テンビン⇒てんびん座
のように全て星座を意味しています。
台風とハリケーンの違い
基準となる最大風速に違いはありますが、全て熱帯低気圧が発達したもので、その熱帯低気圧が存在する地域によって呼ばれ方が変わります。
東太平洋のハリケーンが東経180度を横切れば、台風の発生となります。
台風は東経180度より西の北西太平洋及び南シナ海、
ハリケーンは北大西洋・カリブ海・メキシコ湾・西経180度より東の北太平洋東部、
タイフーンは北太平洋西部、
サイクロンはベンガル湾・北インド洋・南太平洋西部に存在する熱帯低気圧が発達したものです。
台風は日本の分類であるのに対して、ハリケーン、タイフーン、サイクロンは国際分類であり、基準となる風速に違いがあります。
分類 | 存在地域 | 最大風速 |
---|---|---|
台風 | 東経180度より西の北西太平洋及び南シナ海 | 17.2m/s~ |
ハリケーン | 北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、西経180度より東の北太平洋東部 | 32.7m/s~ |
タイフーン | 北太平洋西部 | 32.7m/s~ |
サイクロン | ベンガル湾、北インド洋、南太平洋西部 | 32.7m/s~ |
秋台風の特徴とは?
日々の気圧配置によりますが、一般的に秋になると太平洋高気圧が勢力を次第に弱め、その高気圧のふちを回るように台風が北上してきます。
偏西風の位置が夏よりも南に下がってきて、本州まで接近した台風はその偏西風の流れに乗り、速度を一気に速める特徴があります。
速度が速まるので、台風が上陸した場合にも勢力が落ちきる前に本州を通過していくので被害が大きくなります。
また、日本付近に秋雨前線が停滞している場合には、前線の活動を活発にさせて、台風から離れた場所でも大雨になる場合があります。
夏台風と秋台風の違いとは?
一般的に夏台風は、偏西風が北緯45°付近まで北上していて、台風が偏西風の流れに乗る事ができず、進行速度が遅く複雑な進路をとることがあります。
このように、複雑な動きをする台風は迷走台風と呼ばれています。
気圧配置や偏西風の位置などによる部分がありますが、よく例えられるのは、
夏台風は自転車並の速度
秋台風は自動車並の速度 という風に言われています。
夏台風は秋台風に比べて動きが遅いので影響が及ぶ範囲は相対的に狭くはなりますが、影響時間が長くなり、長時間にわたる大雨の危険性がより高まります。
また、夏は太平洋高気圧が広く日本付近を覆う場合が多いので、北上してきた台風は、朝鮮半島~対馬海峡を通り、日本海へ抜ける経路が多くなります。
2018年の秋の台風は?
秋は太平洋高気圧が勢力を弱めるので、本州付近に台風が接近しやすくなります。
2018年9月下旬現在の日本の南海上の海面水温は平年より高く、また水は空気より温まりにくく冷めにくい性質のため、気温のピークを過ぎた秋でも台風の発生・発達には十分な海水温といえます。
十分に発達した台風が接近する可能性がありますので、日々の天気予報や最新の台風情報に注意してください。