初心者だからこそ基本を押さえたい、スパイスの使い方

  • プライベート
  • 2017.5.26
  • かいたひと:よこちん

おひさしぶりです。ポッケの調理担当のよこちんです。

ここ最近、趣味で続けてきた料理に関する知識をもっと何かに活かせないかと思うようになり、ポッケのブログを使って定期的に情報配信をさせてもらう事にしました。

ポッケ行動指針にもある「Know-how(引き出しにカギをかけるな)」ですね!

今回は「初心者にも解りやすいスパイス活用の話」をしたいと思います。
できるだけマニアックにならないように(ただ間違った知識で覚えないように)押さえておくべき基本情報と、使用頻度の高いスパイスの紹介、簡単に作れてかつスパイスらしさを感じられるレシピをお伝えします。

目次

 

1.スパイスとは 〜 調味料、ハーブ(香草)との違い

主に植物の種子、実、根等を乾燥させたもので、調理をする際に加える事で刺激的な香りや、辛み、色みを付けたりするものの総称です。

混同されがちなものとして「調味料」や「ハーブ(香草)」があります。
これらを明確に線引きをするのは難しいのですがスパイスとは別のものとして覚えておくと、スパイスの特性や使い方が掴みやすくなるので簡単に説明しておきます。

調味料

調理をする際に「味を付けるもの」の総称で、砂糖、塩、酢、醤油、味噌等が該当します。逆に言うと“スパイス単体では料理に味付けをする事はできません”

ハーブ(香草)

スパイスが種子、実、根等を乾燥させたものであるのに対して、ハーブは葉、茎等を生のままでも利用できるものが多いです。スパイスは主に加熱によって香りを引き出しますが、ハーブは加熱せずに千切ったり、揉んだりする事でも香りを立たせる事ができます。

他にも薬効成分やリラックス効果から美容の面でも取り扱われますが、スパイスとの違いという意味で少し雑なまとめ方をすると“生のままでも香りが出せる、緑色をした草類”という認識でもいいかも知れません。

代表的なハーブ:パクチー、ミント、パセリ、ローズマリー、セージ、タイム

 

2.スパイスの形状 〜 ホールとパウダーの違い

スパイスは大きく分けて2種類の形状(ホール、パウダー)に分類され、さらに複合スパイスと呼ばれるミックススパイスや、ペーストといったものがあります。

上段がホール、下段がパウダー

ホール

種子や実等の形状のまま乾燥させたものです。

加熱をしたり砕いたりする事で香りを引き出して使用しますがそのままの状態であれば香りが飛び辛いので長期保存にも向いています。ある程度加熱をしても香りが残るので調理の序盤からじっくり火を入れて使う事が多いです。

パウダー

ホールをすり潰して粉状にしたものです。

ホールに比べて扱いやすいですが香りが飛びやすいので長期保存には向きません。また加熱をし過ぎると香りが飛んでしまうので調理の中盤や仕上げに使う事が多いです。

ミックススパイス

読んで字のごとく複数のスパイスを組み合わせたものです。

スパイスの組み合わせはそれこそ無数にありますがガラムマサラ、五香粉、パンチフォロン等の組み合わせパターンがある程度決まっていて名前がついているものや、タンドリーミックスのようにメーカーによって入っているスパイスが全く異なるものがあります。

ペースト

ミックススパイスとの違いはスパイスだけはなく塩や油などが混ざっていている場合がある点で、食材を炒める際に使ったり、水分を加えて薄めて使ったりというようにペースト単体で調味料を加えなくても利用できるものが多いです。

最初はどれを揃えればいいの?

一番手軽なのはミックススパイスですが、全てが同じ香りになってしまうので出来れば何種類か単品のスパイスを揃えるのがお勧めです。

ホールを自分ですり潰す事でパウダーを作る事もできますが道具が必要だったり、ホールは品種によっては過食できない部分が含まれたりするので初心者はパウダースパイスから揃えていった方がいいかもしれません(香りの立ち方が違うので本当は両方揃えて欲しいところですが…)

 

3.スパイスの役割 〜 香りづけ、辛みづけ、色みづけ

スパイスは大きく分けて3つの役割(香りづけ、辛みづけ、色みづけ)があります。

これらの役割を説明する時、香りづけならクミン、色みづけならターメリックのように代表されるスパイスと併せて紹介される事がありますが、“スパイスは一種類につき一つの役割ではなく、複数の役割を併せ持っています” 例をあげるとターメリックは色みづけだけではなく、しっかり加熱する事でカレーらしい香りを引き出す事が可能です。

香りづけ

スパイス料理の代表ともいえるカレーって食欲を促進させるなんともエスニックな香りがしますよね?それこそがスパイスの香りづけの効果によるものなのです。

香りづけはスパイスの役割の中でも最も重要でスパイスの種類によって香りは異なるので用途に合わせて使い分ける事が大事です。

代表的なスパイス:クミン、コリアンダー、カルダモン、クローブ、シナモン

 

辛みづけ

ちょっとでも料理をする方であれば台所に唐辛子や胡椒があると思いますが、実はそれが辛みづけのスパイスだったりします。

辛みづけのスパイスは種類によって「辛さのレベル」に開きがあり、“一度つけた辛みを引く事は困難”なため、初めて使うスパイスの場合は少量ずつ様子を見て足す事をお勧めします。

代表的なスパイス:チリ、ペッパー、マスタード、ジンジャー

 

色みづけ

パエリアやインドカレーで黄色いご飯を目にした事があるでしょうか?あの色はサフランやターメリックでつけていたりします。

食材にもよりますが、香りづけの項目で紹介したスパイス類の使用だけだと茶色掛かった料理になりがちですが、色みづけのスパイスで華やかな色を加える事ができます。

代表的なスパイス:ターメリック、パプリカ、サフラン

 

その他役割

上記であげたのがスパイスの3大効果ですが、他にもコリアンダーによるトロみづけ、消化促進や整腸作用に代表される健康に良いとされる効果、肉や魚等の臭みを消す効果等があります。

 

4.スパイスの使い方と注意点

香りの引き出し方

ここまで、「香りを引き出すには加熱が必要」と伝えてきましたが、その方法やタイミングにより得られる効果が異なります。

加熱の仕方が適切でないと、ホールであれば充分な香りが引き出せなかったり、パウダーであれば土臭さや苦み・粉っぽさが残ったりしてしまいます。

以下、下準備~仕上げまで、スパイスの使い方とタイミングを纏めてみました。

下準備

肉や魚の臭みを消すために加熱をする前に食材にスパイスを加えマリネします。

代表的なものにニンニク、ショウガがあります。またマリネは食材の臭みを消す、香りをつけるだけでなく、調味料を足して味をつけたり、柔らかくして味をしみ込ませやすくしたりする効果もあります。

調理始め

食材の投入前に油でスパイスだけを炒めて香りを引き出します。この手法を”テンパリング“といいます。この時使うスパイス(”スタータースパイス“と呼ばれる)はホールスパイスを使用してください。

スパイスは種類によって火の通りやすさが異なるので、基本的にはサイズの大きいもの→小さいもの、固いもの→柔らかいものの順に投入すると失敗が少ないです。また使う油はサラダ油で問題ありません。

調理中

パウダースパイスを食材と一緒に炒めて香りや辛み、色づけをします。パウダーはホールに比べて香りも強いですが焦げやすいので、調理始めではなくこのタイミングで使います。

仕上げ

パウダースパイスは加熱する事で香りが飛んでしまうので、調理の最終段階で香りを引き立たせるため足す場合があります。この時パウダーを使うのであれば少しの時間でいいので加熱を行った方がよいです。

また南インドでよく使われる手法では仕上げのタイミングで調理始めで解説した”テンパリング”をして香りを移した油を加えるという方法もあります。

 

注意点:用量は適正範囲内で

スパイスは種類によって適正な使用量があります。具体例を挙げると、ナツメグのように過剰摂取すると中毒症状が出るものや、チリ等の刺激性の高いもの、またターメリックも量が多いと土臭さが残ってしまったりします。

逆にある程度量を増やしてもそこまで風味を壊さないスパイスもあり、コリアンダーやカルダモン、マスタード等は割と量を入れられるスパイスだと思います。

スパイスの組み合わせはシンプルに!

よくカレールウやお店で「20~30種類のスパイスをブレンドして」という話が出たりしますが、“スパイスは掛け合わせる種類が増える程、一つ一つのスパイスの風味が薄くなりがち”です(お互いの尖った部分が平均化されてボケてしまう)。

メーカーやお店で調合されるスパイスは、プロがそれぞれのスパイスの特徴を掴んだ上で何度も足し算引き算をして生み出しているため調和が取れていますが、ここを勘違いして初心者がむやみにスパイスの種類を増やすのはお勧めしません。

(※今回レシピ紹介で自家製カレー粉の作り方も紹介しようと考えましたが、上記理由と焙煎、熟成の仕方で味がかなり変わってくるので初心者向けではないと思い今回は見送ります。次回にご期待ください。)

 

5.これだけ覚えておけば困らないスパイス

使用頻度が高くこれだけ覚えておけばスパイス使いには困らないといえる基本のスパイスを紹介します。

特に前4つの、「クミン・コリアンダー・ターメリック・チリ」はスパイスを語るうえでは外せない必需品ともいえます。

左上(時計でいう50分の位置)から時計回りでクミン〜シナモンです。

クミン インドではジーラと呼ばれ、このスパイスだけでいわゆるカレーのような香りを加える事が可能です。ホールの形状のままでも加熱すれば食べられるので様々な使い方ができます。
コリアンダー パクチーの種子の部分で爽やかでほんのり甘い香りがします。ある程度量を入れても問題がないので他のスパイス類の調和役として重宝します。
ターメリック 主に色みづけに使われますが色素成分は油溶性なので油と併せて加熱する事でより良い色がでます。また加熱をしないと粉っぽさや土臭さが残るので必ず加熱を行ってください。
チリ 主に辛みづけに使われます。激辛で有名なハバネロやジョロキア、生の状態で使われるピッキーヌやグリーンチリ等、沢山の品種(100種以上ともいわれる)があり辛みの強さは品種によりまちまちです。
カルダモン 柑橘系の爽やかな香りが特徴で「スパイスの女王」と呼ばれています。ホールの外皮は食べられず中の種子の方が香り高いです。一般的にカルダモンというとグリーンカルダモンの事を指しますが、5倍くらいの大きさのビッグカルダモンという品種もあります。
クローブ 抽出される香りはバニラのような甘さがあるが、つぼみ部分は食べると舌先が痺れるような感覚があります。臭み消しの効果も高いので下ごしらえで使われる事が多く、虫除けの効果(特にゴキブリに対して)があるとも言われています。
シナモン 甘い香りが特徴で、スリランカ産の「セイロン」、その他の地域産の「カシア」は別種で香りが異なります。お菓子等の甘い料理には「セイロン」、カレー等のスパイシーな料理には「カシア」を使うのがいいと思います。

 

6.スパイスのお得な購入と保管方法

スパイスの購入先

最近はスーパーの調味料売り場でもさまざまな種類を見かける事が増えてきましたが、量が少ない割に値段が高いのが玉に傷。。

そんな時はハラールフードショップ(※)での購入をお勧めします!
写真のような量のスパイスが1種200円前後で買えるところが多く、たっぷりとスパイスを使う事ができます。

※ハラールフードショップとは、ムスリム(イスラム教)の人向けの食材を取り扱っているお店です。ポッケの社屋がある新宿周辺だと新大久保の「イスラム横丁」に沢山の店舗があります。また「行動エリア + ハラール食材」で検索すると最寄りのハラールフードショップが見つかると思うので是非利用してみてください。

スパイスの保管方法

スパイスは太陽光や湿度に弱いので、密閉容器に入れて日の当たらない暗所で保管するのがお勧めです。100円ショップにいけばガラス製のおしゃれな容器があるのでそれを使うのもいいですが、私は保管スペースの問題と出張調理などの持ち運びの利便性からタッパーに入れて保管しています。

 

7.簡単かつスパイスを感じられるレシピ

スパイスの話だけでもお腹いっぱいかもしれませんが、ここで簡単につくれるレシピを2つほど紹介します。あんまり難しく考えず失敗してもいい位の気軽さでチャレンジしてみてください!

フムス(ひよこ豆のペースト)

調理時間

15分

材料(4人前)

・ひよこ豆の水煮缶・・・1缶(240g)
・練りゴマ・・・大さじ3
・クミンパウダー・・・小さじ1/2
・コリアンダパウダー・・・小さじ1
・チューブニンニク・・・2cm
・レモン汁・・・小さじ1
・オリーブオイル・・・大さじ3
・塩、胡椒・・・小さじ1/2

【飾り用】
・オリーブオイル
・パセリ
・チリorパプリカ

手順

①ひよこ豆を茹でる(10分程度)
②全ての材料をミキサーに入れて滑らかになるまで撹拌する
③皿に盛ってオリーブオイルを回し掛け、パセリ、チリ(※)を振れば完成です。
※辛いものが苦手ならパプリカで代用したり省いても問題ないです。

ポイント

この料理を簡単レシピとして候補にあげた最大の理由は“風味の調整がしやすい事です”

調理行程にひよこ豆を茹でる以外に加熱がないので、②の調理行程でスパイスや調味料を少しずつ入れて撹拌して味見をし、足りなければまた少し足して撹拌して…と繰り返す事で好みの味にビタっと合わせる事ができると思います。

サバ缶のスパイス炒め

調理時間

5分

材料(2人前)

・オクラ・・・5本
・サバの水煮缶・・・200g
・クミンパウダー・・・小さじ1
・コリアンダパウダー・・・小さじ1
・チューブニンニク・・・1cm
・サラダ油・・・大さじ1
・塩、胡椒・・・適宜

【付け合わせ用】
・パパド・・・2枚

手順

①オクラを切ってサラダ油で炒めます。
②中身をほぐしたサバ缶(残り汁も一緒に)とパウダースパイス、チューブニンニクを入れて汁気が飛ぶまで強火で炒めます。
③塩、胡椒で味を調えれば完成です。

ポイント

サバ缶自体に味が付いているので塩加減の調整が簡単にできます。また調理時間も短いのでサッと追加できる一品として覚えておくと重宝します。

またご飯にかけて食べるというよりはお酒に合う一品という感じなので、パパド(インドの豆せんべい)にディップして食べるのもお勧めです。
※このレシピは経堂にあるインド料理の名店「ガラムマサラ」のメニューを参考にしています。

 

8.まとめ

できるだけライトに記事を書こうと思いましたが、振り返ってみると結構面倒な印象を与えてしまいそうな文章になっている気がします(笑)

変に難しく構えずに、最初はミックススパイスでも基本の4スパイスでもいいので、普段の料理にちょっと加えてみてください。それで、“少しでも料理からエスニックな香りを感じ取れたら”、もうスパイス入門はできたと言えると思います。

その後で使う種類を少しずつ増やしたり、加熱の具合を変えてみたりと色々と試していくのがいいでしょう。そうこうしているうちに、気付くと普段の料理にスパイスを使えるようになり、またスパイスの魅力にハマっているのではないでしょうか。

この記事を読むことでスパイスに興味を持ってもらい、日常の料理に取り入れてもらえたら幸いです!

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