今年の夏はエルニーニョ現象が発生か! 気象予報士が気になる気象トピック

お天気.comで提供している気象情報を担当している気象予報士の飯山です。
気象予報士として気になる気象トピックをブログでお知らせします。

3月10日、気象庁は今年の夏にエルニーニョ現象が発生する可能性がやや高くなったと発表しました。気象予報士としては非常に気になる内容です。

気象庁発表の内容は・・・

気象庁は日本の天候に影響を及ぼすエルニーニョ現象・ラニーニャ現象の発生の指標となる、太平洋赤道域の海面水温をエルニーニョ監視海域として常に監視し、毎月10日に発表しています。

このエルニーニョ監視海域の海面水温が、春までは平常の状態が続く可能性が高いものの、夏は予測の不確実性を考慮しても海面水温が平常時より高くなり、エルニーニョ現象が発生する可能性の方が高いということです。

下記の図の黄色の部分がエルニーニョ監視海域の海面水温の予測を示したエルニーニョ予測モデルの予測結果で、6月からエルニーニョ現象が発生する可能性があることを示しています。

図:エルニーニョ監視海域の海面水温の予測

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※気象庁発表のエルニーニョ監視速報を引用

エルニーニョ現象が発生した際の夏の傾向をみると・・・

エルニーニョ現象が発生している時の夏は、日本付近を覆う太平洋高気圧の張り出しが弱くなります。

日本に暑さをもたらす太平洋高気圧の勢力が弱いことで、日本付近に湿った空気が流れ込みやすくなります。この結果、北海道と東北の太平洋側と近畿北部・山陰・九州北部で雨が多くなる傾向があり、北海道・東北・近畿南部・山陽・四国・九州南部・奄美・沖縄で日照時間が少なくなる傾向があります。

雨が多くなり、日照時間が少なくなることで、気温の上がらない日が多くなり、北海道~九州で平年より気温が低く、冷夏となる傾向があります。

また、北海道と東北の太平洋側と近畿北部・山陰・九州北部で雨が多くなる傾向があり、日照時間が、北海道・東北・近畿南部・山陽・四国・九州南部・奄美・沖縄で少ない傾向があります。

このため、エルニーニョ現象が発生すると、梅雨明けが遅れて梅雨が長くなり、晴れる日が少なくなり、気温の上がらない日が多くなり、結果として冷夏となります。

エルニーニョ現象が発生していた2009年の夏はどうだった?

エルニーニョ現象が発生していた5年前の2009年の夏は、7月中旬までは平年より暑かったものの、7月下旬から8月上旬が低温となり、8月の北日本と東日本は平年より低くなりました。極端な冷夏ではなかったものの、真夏に夏らしい日が少なかったため、涼しい夏となり、ビールなどの飲料の販売量が前年より落ち込む結果となり、消費に影響を及ぼしました。

過去10年を見てみると

過去10年でエルニーニョ現象が発生していたのは5年前の2009年夏~2010年春のみです。その前のエルニーニョ現象は2002年夏~冬の12年前で、おおよそ数年毎に現れる現象です。

過去10年の夏をみると、低温傾向となったのはエルニーニョ現象が発生していた2009年のみで、その他の年は、平年並の夏が3年、暑い夏が6年で、2010年からは4年連続で暑い夏となっています。

近年は暑い夏が当然の状態が続いていますので、もし冷夏になると経済的に大きな影響を受ける懸念があります。ようやく景気が上向きになってきているところに、冷夏で水を差すことにならないか、非常に心配です。

今後、海面水温の状況が変わる可能性はありますが、毎月10日に気象庁から発表されるエルニーニョ監視速報に十分注意する必要があります。

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